
大屋の家づくり
私たちの家づくりについて。
暮らしの起点となる「家」を、心から安らげる場所に。
家は、暮らしの中心であり、心と体を休める場所。
私たちは「安らげる、心地よい空間」であることを、何よりも大切にしています。
日本の木、土、紙、石──
風土に寄り添った自然素材を用い、世代を超えて愛される家を造っています。
「何が違うかわからないけれど、品がある」
そう言っていただける理由。
お客様から、よくこんなお声をいただきます。
「大屋さんが建てる家は、何が違うかはわからないけど、どこか品があるよね。」
それは、目には見えにくい「わずかな匙加減(さじかげん)」を、私たちがすべての工程に込めているからだと思っています。
人は、ほんの小さな違いも、無意識のうちに感じ取る力を持っています。
だからこそ、私たちは細部まで丁寧に、心を込めて仕上げています。
機械だけではつくれない。
職人の感性が、家の“質”を決める。
家づくりには、技術だけでなく感性が必要です。
大工はもちろん、屋根師、左官、建具屋など、職人たちが
「同じイメージ」を共有し、「同じ想い」でひとつの家を形にしていきます。
それは、手間がかかる仕事ですが、私たちはそれを楽しみながら取り組んでいます。
災害や気候変動にも、確かな備えを。
近年増えている災害や気候の変化にも対応した、安心・安全な住まい。
長年培ってきた経験と知識、確かな技術力で、大切な家を守ります。
代々続く技術と、真心のこもった家づくり。
一軒一軒、時間をかけて、丹精こめて。
素材、技、感性──すべてに妥協せず、
お客様の暮らしに寄り添う「本物の家」を、これからも造り続けていきます。

良い木材にこだわる
素材へのこだわり ─ 木にも、個性がある。
お米に産地や品種ごとの個性があるように、
木にも産地や育ち方によって、質や表情にそれぞれの個性があります。
大屋工務店では、主に地元・千葉の山武杉(さんぶすぎ)を使っています。
山武杉は「脂のりが良く、粘りがある」ことが特長で、特に構造材に適しています。
また、使用する場所や用途に応じて、和歌山産や秋田産の木材を使うこともあります。
それぞれの木の個性を活かし、最適な木材を選びます。
「優しく、品のある家」にふさわしい木を。
私たちが目指しているのは、優しく、品のある家。
そのため、選ぶ木材も、力強さだけでなく、柔らかで美しい表情を持つものを選びます。
木の風合いは、年月とともに深みを増し、暮らしに寄り添う存在になっていきます。

既製品ではできない“一本の木”の家づくり
大屋工務店では、既製品では手に入らない特別なサイズの木材を使った家づくりを行っています。
たとえば、家の骨組みに使う梁(はり)などは、通常であれば長さが足りず、2本の木をつなぎ合わせて使うのが一般的です。
しかし私たちは、1本の大きな木から、そのまま切り出すことができます。
それができるのは、大工自身が木材の産地まで足を運び、原木(丸太)を買い付けているからです。
「原木」とは、木が製材される前の、いわば“素材そのもの”。
その状態から、大工が目で見て、手で触れて、仕上がりをイメージしながら選びます。
本来、原木の仕入れは材木商の仕事ですが、
私たちは「最初から最後まで家づくりに関わる大工」だからこそ、
住む人にとって最も適した一本を選べると考えています。
家全体を見通した“素材選び”
木材は、見た目の美しさだけでなく、
強度・乾燥具合・クセ・反りやすさなど、さまざまな要素があります。
大工としての経験を活かし、
家が完成したときの仕上がりを見据えた選定ができるのは、
原木選びから関わる私たちの大きな強みです。


原木から“家の素材”へ
買い付けた原木は、そのまま使うのではなく、
製材所で板や柱に加工(製材)してから、家づくりに使われます。
この「原木から必要な形を取り出す」工程にも、
高い技術力と(木を読む力)が必要不可欠です。
一本の原木から、どの方向に、どのサイズで、どう挽くか。
その判断によって、木材の強さ・美しさ・狂いの少なさが大きく変わります。
私たちは、鋭い目利きを持つ製材屋さんといっしょに、一本一本の木に向き合います。
家の完成を見据えた素材づくり。
原木をただ板にするのではなく、
その家にとって一番ふさわしい材になるように、丁寧に挽いてもらいます。
木を知り尽くした製材職人と、
家を知り尽くした大工が手を取り合うことで、
皆様の大切なお家に、ベストな材料をお届けできるのです。
一本の木を、無駄なく、丁寧に。
自然の恵みを余すことなく活かし、
必要な場所に、必要な木を──。
木を大切に扱うことは、
私たちが家づくりに込める思いそのものです。



自然の力で育まれた、本当に良い木だけを。
大屋工務店では、厳選された「天然乾燥」の木材だけを使って家を建てています。
そもそも、木は伐採してすぐには使えません。
切ったばかりの木には多くの水分が含まれており、そのまま使うと時間の経過とともに、反りや曲がりが生じてしまうからです。
そのため、木材として使用するには「乾燥」の工程が必要になります。
乾燥方法には、大きく分けて2つあります。


■ 人工乾燥(一般的な方法)
機械や熱を使って、短時間で木を乾かします。
扱いやすく、工期も短縮できるため多くの現場で採用されていますが、
熱によって木の中の大切な脂が抜けてしまい、もろくなってしまうというデメリットもあります。
■ 天然乾燥(大屋工務店が選ぶ方法)
自然の風や太陽の力で、ゆっくりと、じっくりと時間をかけて乾かす方法です。
時間も手間もかかりますが、
木本来の油分や強さ、香りをしっかりと残すことができ、
丈夫で長持ちする木材に仕上がります。
大屋工務店は、
「どうすれば、お客様が長く安心して暮らせる家になるか」
を常に考え、家づくりをしています。
その答えのひとつが、
“天然乾燥の木を使う”という選択です。
見えないところにこそ、ていねいな仕事を。
これからも、そんな家づくりを大切にしていきます。
天然乾燥にこだわる

品のある家
「優しく、品がある。」
住む人に、自然とそう感じていただけること。
それが、大屋工務店の家づくりの原点です。
家のあらゆる部分の高さ、幅、厚み。 体で感じ取ることのできる程度の僅かな曲線や角度にさえ、人が「心地よい」と感じる寸法を探り、設計に落とし込んでいます。
それは、ただ丈夫なだけの家ではなく、
長く、気持ちよく住み続けられる家をつくるため。
そして、「優しさ」と「品がある」と感じていただくため。
この感覚を支えるのは、大工だけではありません。
瓦職人、左官職人、そして家づくりに携わるすべての仲間たちが、
同じ感性と技術をもって、一棟一棟、心を込めて仕上げていきます。
誰にとっても、心安らぐ場所であってほしい——
そう願いながら細やかな施しにこだわっています。
優しく、品がある。
そうしてはじめて、「大屋の家」が完成するのです。

左官仕事

たとえば、壁や土間を仕上げる左官の仕事。
その仕上がりは、家の外観や内装の雰囲気を大きく左右するほど、重要な役割を担っています。
大屋工務店と仕事を共にしている左官職人は、
お客様一人ひとりの暮らしや感性に寄り添い、
世界にひとつだけの表情を持つ壁や土間をつくり出します。
その豊かな感性と繊細な技術は、大工の木の表現と響き合い、
互いの魅力を引き立て合いながら、家全体に深みとやさしさを与えてくれます。
使用するのは、漆喰・珪藻土・土などの自然素材。
だからこそ、調湿効果に優れ、空気が澄み、心地よい室内環境が生まれるのです。
上の写真は、やわらかい表情が特徴の藁入りの漆喰壁です。
真っ白ではなくアイボリーや薄茶色といった顔料を入れたり、藁を混ぜ込んで少しアクセントをつけています。
下の写真は、玄関土間の三和土仕上げです。
三和土とは「土や砂利」「石灰」「にがり」を練って、突き固める仕上げのこと。洗い出しとはまた違った良さがあり、土から醸し出す優しい印象を感じられ、周りの雰囲気と調和されます。
美しさ × 強さ の両立。
使用する瓦は、標準的な陶器瓦から、最高級とされる淡路島産の瓦まで対応。
また、ガルバリウム鋼板を使った金属屋根でも、同様に美しい曲線を造ることができます。
大屋工務店では、一枚一枚の瓦をステンレス製の釘で丁寧に留め付け、
さらにステンレス筋を建物の骨組みに固定しています。
これにより、瓦と建物が一体化し、強風で飛ばされにくく、地震にも強い屋根を実現。
見た目の美しさだけでなく、長く安心して暮らせる構造的な強さにもこだわっています。


屋根仕事
大屋工務店の家づくりにおいて、屋根は特に誇りにしている部分のひとつです。
その大きな特徴は、人の心に自然と響く、緩やかな曲線。
この屋根のスタイルは、実は平安時代以前に考案されたもので、
千年を超えてもなお美しいと感じさせる、日本人の美意識に根ざした形です。
写真や図面では伝わりきらない、本物の美しさがあります。
ぜひ、実際に目で見て、感じてみてください。


強くて丈夫な家
長く住み続けられるように

【ベースと基礎】
家を支えるもっとも大切な部分。
それは、実は「一番下」にあります。
大屋工務店では、まず地盤調査を行い、必要があれば地盤改良も実施します。
そして、その上に割栗石(わりぐりいし)を一敷き詰め、しっかりとした“ベース”を造るところから家づくりが始まります。
この工法は手間と時間がかかりますが、家全体を支える地盤を安定させ、長く安心できる暮らしを生み出します。
なかなか目がいかないところですが、家づくりの“根っこ”とも言える大切な工程です。


【手刻みの骨組み】
骨組みには、伝統構法を取り入れた「手刻み」を採用しています。
現在では、工場であらかじめ木材を加工する「プレカット」が主流となっています。
確かに早く、安く仕上がりますが、接合部の強度に不安があり、どうしても金物に頼らざるを得ません。
一方で「手刻み」は、職人が鑿(のみ)や鉋(かんな)を使い、一つひとつの継ぎ手・仕口を手作業で加工していく方法。
時間と技術を要しますが、その分、木と木がかみ合い、しっかりと組み合わさる構造ができます。
特に「通し貫(とおしぬき)」や「差鴨居(さしかもい)」といった技法を使えば、金物に頼らずとも、地震に強い、頑丈な骨組みを造ることがでると考えています。
伝統と技術の、いいところを。
私たちは、すべてを昔のままに戻そうとは考えていません。
部分によっては現代の金物を活かす方が良い場合もあります。
だからこそ、大屋工務店では、伝統の技と現代の技術の「いいところ」を組み合わせることで、
長く住めて、災害にも強い、本物の家づくりを行っているのです。
快適さへのこだわり
快適さと、家の寿命を左右する「断熱」と「通気」。
【断熱】
「木の家は、冬は寒くて、夏は暑い」
そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
決してそんなことはありません!
大屋工務店では、高性能な断熱材を使用しています。
その断熱材を、大工が一枚一枚ていねいにカットし、隙間なく、ベストな位置にしっかりと施工していきます。
この「手仕事の断熱」が生む効果は大きく、
エアコンの効きやすさ、室内の快適さがまるで違います。
断熱は、住まいの「心地よさ」の基礎になる大切な要素なのです。

【通気】
もう一つ、家の性能を大きく左右するのが「通気」です。
家が長持ちするかどうかは、空気の流れがきちんと設計・施工されているかにかかっています。
大屋工務店では、
床下から壁の中、そして屋根の上まで、家全体に空気が通る設計を行っています。
さらに、屋根の頂上部分に「棟換気」を取り入れることで、こもった熱を効率的に逃がすことができます。
この通気の工夫があるかないかで、
夏の室内温度は大きく変わり、カビや結露、シロアリのリスクも大幅に軽減されます。
断熱と通気は、目には見えない部分かもしれません。
でも、こうした地味だけれど大切な工程こそ、しっかり造るべきだと考えています。

メンテナンス

「建てた後も、ずっと快適に。」
大屋工務店では、家を建てた後になるべくメンテナンスがいらない、
そんな住まいをご提案しています。
長い年月の中で、私たちは本当にたくさんの家を見てきました。
だからこそわかるのです。
「これはおすすめできる」
「これは、あとあと大変になるかもしれない」
そうした知見をもとに、お客様一人ひとりにとって最適な“家のかたち”をご提案しています。
設備や素材の選び方、構造や仕様のバランス。
どんな暮らし方をされるのか、どれだけ長く住まうのか——
私たちは、建てる前の選択が、建てた後の安心をつくると考えています。
長く住んでこそ、本当の良さがわかる家。
その実現のために、経験とノウハウを惜しみなく活かし、お客様と一緒に最良のスタイルを決めていきます。